【GPT-5.6 Sol思考量比較 第1回】思考量で違いはある?5段階を15回実測して比較

GPT-5.6 Sol思考量比較の連載一覧

ChatGPT WorkでGPT-5.6 Solを選ぶと、Light(軽)からMax(最大)まで思考量を調整できます。
選択肢は増えましたが、思考量を上げればSEO記事の品質も上がるのか、待ち時間に見合う差があるのかは、画面の説明だけでは判断できません。

そこで、同じプロンプトから同じテーマのSEO記事を各設定で3本ずつ、合計15本生成しました。
回答時間を計測したうえで設定名を隠し、Sol Maxに2回採点させて、速度と出来具合の両方を比較しています。

先に結論を書くと、品質が最も高かったのはExtra Highですが、速度まで含めたコスパはMediumが最も良い結果でした。
LightとMediumの品質差は小さく、HighやMaxへ上げても、今回のSEO記事では待ち時間に見合う改善を確認できませんでした。

  • 品質1位:Extra High(97.67点)
  • 平均速度1位:Light(52.166秒)
  • 速度と品質のバランス:Medium(96.17点・53.892秒)
  • HighはMediumより遅く、品質は0.17点低い
  • MaxはMediumより約50秒遅く、品質差は0.33点

この記事では平均値だけで結論を出さず、3回分の測定幅やAI採点の揺れも公開します。
生成した15記事は設定別の連載ページへ全文掲載するので、最後は読者自身の目でも違いを確かめてください。

ChatGPT 5.6 Solの思考量は何が違う?

思考量は、GPT-5.6 Solが回答前の検討や確認へ使う処理量を調整する設定です。
今回のChatGPT Workには、Light、Medium、High、Extra High、Maxの5段階が表示され、同じモデルのまま設定だけを変更できました。

OpenAIも、思考量を増やすと複雑な課題の品質改善が期待できる一方、回答時間とトークン消費が増えると説明しています。
公式のモデル案内では、まず標準設定から始め、深い計画や分析が必要な場面だけ引き上げる考え方が示されています。

また、表示される設定は契約プランやワークスペースによって異なり、すべての利用者に同じ選択肢が出るとは限りません。
今回の実験は2026年8月31日にChatGPT Workで確認できた5段階を対象とし、Ultraや通常チャットのProは比較から除外しています。

同じSEO記事を各設定で3回ずつ生成した条件

比較テーマは「ブログ記事 リライト 方法」で、個人ブログ運営者がリライト候補を選び、修正して効果測定できる記事を依頼しました。
本文1,400〜1,700字、WordPress用HTML、1段落80〜140字前後など、実際の記事作成を想定した条件も共通にしています。

1回ごとの偶然を減らすため、各設定を3回ずつ実行し、2巡目と3巡目は実行順も変更しました。
すべて新しいチャットで生成し、Web検索や外部ファイルを使わず、出力された文章には手を加えていません。

項目 実験条件
モデル GPT-5.6 Sol
思考量 Light・Medium・High・Extra High・Max
生成回数 各3回、合計15記事
記事テーマ ブログ記事のリライト方法
本文の目安 HTMLタグを除いて1,400〜1,700字
計測開始 送信ボタンを押す直前
計測終了 「Stop answering」が消えた時点
終了確認 200ミリ秒間隔

2巡目のMaxでは、保存前にブラウザ接続が切れて計測値を回収できない試行が1回ありました。
その試行はデータから外し、新しいチャットで最初から測り直した83.233秒だけを正式な2回目として採用しています。

GPT-5.6 Solの速度を3回ずつ測った結果

平均で最も速かったのはLightの52.166秒で、Mediumが53.892秒と続きました。
ただし中央値ではMediumが50.540秒、Lightが51.994秒となり、LightとMediumの速度差は実用上ほとんどありません。

思考量 1回目 2回目 3回目 平均 中央値
Light 46.661秒 57.843秒 51.994秒 52.166秒 51.994秒
Medium 44.508秒 50.540秒 66.628秒 53.892秒 50.540秒
High 51.421秒 88.106秒 63.916秒 67.814秒 63.916秒
Extra High 168.897秒 103.553秒 161.537秒 144.662秒 161.537秒
Max 152.760秒 83.233秒 74.826秒 103.606秒 83.233秒

意外だったのは、Maxより一段低いExtra Highが3巡すべてで最も遅かったことです。
思考量の順番と回答時間は単純に比例せず、同じ設定でもMaxは74.826〜152.760秒、Highは51.421〜88.106秒まで変動しました。

1回目だけを見ると、Mediumは44.508秒、Maxは152.760秒なので約3.4倍の差があります。
しかし3回平均では約1.9倍まで縮まるため、モデルの速度を1回の測定だけで決めると、利用時間帯や生成内容の影響を強く受けます。

SEO記事の出来具合を匿名化してAIに評価させた結果

品質評価では、15記事をA01〜A15へ置き換え、思考量、実行順、元のファイル名を採点モデルへ見せませんでした。
Sol Maxに同じ基準で2回評価させ、1回目はA01から、2回目はA15から逆順に提示して、表示順の影響も確認しています。

採点は、検索意図25点、実行可能性20点、正確性と慎重さ15点、構成15点、読みやすさ10点、SEOとタイトル10点、指示遵守5点の合計100点です。
各記事の2回平均を出した後、同じ思考量で生成した3記事の平均を、その設定の品質点としました。

品質順位 思考量 品質平均 平均生成時間 指定文字数内
1位 Extra High 97.67点 144.662秒 3/3
2位 Max 96.50点 103.606秒 0/3
3位 Medium 96.17点 53.892秒 0/3
4位 High 96.00点 67.814秒 0/3
5位 Light 95.33点 52.166秒 0/3

品質1位はExtra Highで、本文1,400〜1,700字の指定も3記事すべて守りました。
Mediumは3位ですが、コードフェンスを一度も付けず、段落長の条件も3記事中2記事で完全に守っており、入稿前の修正量は比較的少ない結果です。

ただし、Extra HighとLightの差は2.34点しかなく、同じ記事に対する2回の採点差も平均1.73点、最大3点ありました。
さらに採点モデルもSol系統で、各回の得点が93〜99点に集中したため、この順位を確定した性能差として扱うのは適切ではありません。

速度と品質を合わせるとMediumが最もコスパが良い

今回のSEO記事では、Mediumが速度と品質のバランスで最も優秀でした。
Lightより平均1.726秒長いだけで品質が0.84点高く、Highより13.922秒短いうえ、品質も0.17点上回っています。

思考量 Mediumとの品質差 Mediumとの時間差 今回の判断
Light -0.84点 -1.726秒 下書き速度を優先するなら有力
Medium 基準 基準 通常のSEO記事に最適
High -0.17点 +13.922秒 Mediumより優先する根拠なし
Extra High +1.50点 +90.770秒 品質と形式遵守を優先する場合
Max +0.33点 +49.714秒 今回の課題では割に合わない

ここでいうコスパは、月額料金ではなく、待ち時間に対して得られた記事品質の差を指します。
思考量ごとのトークン数や利用枠の消費量は測定していないため、クレジット消費まで含めた比較ではありません。

OpenAIのGPT-5.6モデルガイドでも、Mediumを開始点とし、High以上は品質向上を測れた場合、Maxは難しい品質優先の課題に使う方針です。
今回の実験でも、Mediumで不足を感じた作業だけ上位設定と比べる使い方が合理的でした。

生成した15記事を全文公開

AIによる品質点数に納得できない読者も、自分の目で判断できるよう、生成した15記事を設定別の5ページに全文掲載しました。
各ページでは3回分の文章を省略せず、生成時間、匿名評価の点数、本文文字数と並べて確認できます。

総合比較ページへ15本を詰め込むと結論を探しにくくなるため、検索意図が異なる全文資料を連載として分けています。
まず比較結果を確認し、気になる設定の全文ページへ進むと、速度差に見合う文章の違いがあるかを判断しやすくなります。

連載 全文掲載ページ 平均時間 品質平均
第2回 Lightの全文3本 52.166秒 95.33点
第3回 Mediumの全文3本 53.892秒 96.17点
第4回 Highの全文3本 67.814秒 96.00点
第5回 Extra Highの全文3本 144.662秒 97.67点
第6回 Maxの全文3本 103.606秒 96.50点

掲載文は文章をリライトせず、見出しや箇条書きも生成時のまま表示しています。
WordPressで記事として読めるよう外側のHTMLコードフェンスだけを外し、その有無は各全文ページの比較表で公開しました。

GPT-5.6 Solの思考量は作業内容で選ぶ

今回の結果だけを見ると、すべての作業をExtra HighやMaxへ固定する必要はありません。
まずMediumで実行し、足りない部分がはっきりしたときだけ思考量を上げれば、待ち時間を抑えながら必要な品質を確保できます。

思考量 向いている使い方
Light アイデア出し、下書き、単純な置換、人が仕上げる文章
Medium 通常のSEO記事、要約、表の整理、日常的な文章作成
High Mediumで論点不足が出た課題を再検討する場合
Extra High 指示遵守、構成、完成度を優先する記事や重要な原稿
Max 複雑な設計、厳密な検証、難しい判断を含む品質優先の課題

単純な置換や表の整理では、モデル自体をSolからTerraやLunaへ変える選択肢もあります。
この記事はSol内部の思考量だけを比べた結果なので、Sol・Terra・Lunaのモデル比較とは分けて判断してください。

思考量を上げても記事品質が比例しない理由

思考量を増やす効果が出るのは、検討する選択肢が多く、矛盾の確認や段階的な判断が必要な課題です。
今回のように読者、検索意図、文字数、構成を具体的に指定したSEO記事では、Mediumの時点で必要な論点がほぼ揃い、上位設定が使える改善余地は大きくありませんでした。

むしろ深く考えることで、補足や注意点が増え、指定文字数を超える場合があります。
Highの3回目は2,170字、Maxの3回目は1,927字となり、情報量は増えても、WordPressへ入稿する前の削減作業が必要になりました。

思考量の高さではなく、完成条件を満たしたかを基準にすることが重要です。
Mediumで十分な記事が出るならそのまま使い、構成の抜け、判断の浅さ、事実確認の不足が残った課題だけ上位設定でやり直す方が無駄を減らせます。

ChatGPT 5.6 Solの思考量に関するよくある質問

SEO記事にはMediumとExtra Highのどちらがおすすめ?

通常の記事作成はMediumから始めるのがおすすめです。
公開前の修正時間を減らしたい重要記事や、Mediumで構成不足が残った記事だけExtra Highへ上げると、時間と品質のバランスを取りやすくなります。

MaxはExtra Highより高品質ではないの?

今回の品質平均はExtra Highが97.67点、Maxが96.50点で、Extra Highが上でした。
設定名の順番は計算量の目安であり、特定の記事が上位設定ほど高得点になる保証はありません。

思考量が高いほど回答時間も長くなる?

平均ではLightとMediumが速く、Extra HighとMaxは長くなりましたが、段階どおりの順番にはなりませんでした。
同じ設定でも数十秒の差が出ているため、回答時間は思考量だけでなく、生成内容や利用時の処理状況にも左右されます。

速度比較は1回だけでは駄目?

1回だけでは、その時間帯や回答内容の影響を強く受けます。
今回もMaxは1回目152.760秒、3回目74.826秒と約2倍の差があったため、少なくとも3回程度の平均と中央値を確認した方が実態に近づきます。

この結果だけで思考量の優劣を決められる?

今回は1つのSEOテーマを各設定3回生成した小規模な実験であり、すべての作業へ適用できる順位ではありません。
競合調査、プログラミング、長文資料の横断分析など、複雑な課題ではHigh、Extra High、Maxの差が広がる可能性があります。

まとめ

GPT-5.6 SolでSEO記事を書くなら、まずMediumを選ぶのが現実的です。
平均53.892秒で品質96.17点となり、Lightとの速度差は小さく、HighやMaxより短時間で同等以上の記事を生成しました。

品質と形式遵守を最優先する場合はExtra Highが有力ですが、平均144.662秒とMediumの約2.7倍かかります。
Maxも実行可能性は高かったものの、Mediumとの品質差は0.33点なので、通常のSEO記事へ常用するほどの効果は確認できませんでした。

思考量は高い設定へ固定するのではなく、Mediumを基準にして、実際の不足に応じて一段ずつ上げるのが合理的です。
連載に掲載した15記事も見比べながら、自分の作業で待ち時間に見合う差があるかを判断してください。